【個人?商用?】海外ショップの購入に必要な関税を理解しよう【BUYMA】
BUYMAで商品を売るパーソナルショッパーが増える一方で、自分で海外ショップを使いお得にお買い物をする人も増えています。
海外ショップでのお買い物に興味があるけど、関税のことが分からない、関税がいくらかかる分からないから不安という方も多いです。
今回は海外ショップでのお買い物(仕入れ)でかかる関税について解説をしていきます。
この記事の目次
関税とは
関税とは一言で言うと「輸入品に課される税金」です。海外から日本に物が入る時に関税がかかります。関税は買った商品の代金やその商品の種類や素材などで決められた税率を元に計算されます。
関税だけではない
海外から輸入をすると関税がかかるというのは知っている方も多いですが、輸入には関税だけかかるということではありません。
関税と同時に「輸入消費税」という税金もかかります。消費税は普段の生活にもおなじみですが、輸入する時にも消費税はかかり輸入消費税となります。消費税ですので税率は8%です。
手数料がかかることもあります
関税と輸入消費税の他にもかかるお金もあります。それは輸入の手続きを代行する配送会社へ支払う手数料です。配送会社によってかからない場合もありますので、必ず手数料を支払うということではありません。
主な配送会社ごとに通関料などの手数料をまとめました。
通関料 | その他手数料 | |
郵便局 | 200円〜 | なし |
ヤマト運輸 | なし | なし |
佐川急便 | 1,200円〜 | 648円〜 |
DHL | 1,080円〜 | なし |
UPS | なし | なし |
FEDEX | 500円〜 | なし |
ヤマト運輸やUPSでは輸入の時の通関料はかかりません。
ショップによってはいくつかの配送会社から選択することもできますが、基本的にはショップで決まった配送会社を使うので、どの配送会社で発送をして欲しいということは決めることはできません。
個人輸入と商用輸入について
輸入には個人輸入と商用輸入があります。個人輸入か商用輸入かで関税や輸入消費税は大きく変わってきます。輸入に興味がある人は聞いたことがあるのではないでしょうか。
2つの違いをおさえておきましょう。
個人輸入
税関のホームページには、個人輸入についてはっきりとした定義はないとされています。
個人輸入は「自分で使うために輸入すること」と覚えておきましょう。
商用輸入
商用輸入は商業輸入と言われることもあります。
商用輸入は「自分が使うため以外に輸入すること」と覚えておきましょう。
商用輸入の主な例では、輸入した商品を転売したり仕事で使う場合などは商用輸入になります。家族へのプレゼントや友達の代わりに輸入したという場合には、自分が使うためではないため個人輸入ではなく、商用輸入とみなされますので注意が必要です。
同居している家族の代わりに輸入した場合には、個人輸入とみなされることもあります。このあたりのことは運次第というところでもあります。
関税と輸入消費税の計算方法につい て
個人輸入と商用輸入では計算方法が違います。
関税の計算は複雑なので、今回は簡単な計算方法をご紹介しています。
正確な計算式ではありませんのでご了承ください。
関税=課税価格 × 関税率
輸入消費税=(課税価格+関税)× 消費税率8%
※輸入消費税の計算は厳密には違います。
課税価格について
課税価格とは税金の計算の元になる金額のことです。
課税価格は個人輸入か商用輸入かによって大きく変わります。
個人輸入・・・購入価格の60%
商用輸入・・・購入価格+送料+保険料+その他の費用
個人輸入の場合には購入価格の40%も安い金額で計算をすることができます。
免税になる場合
一定の条件に当てはまる場合には、関税と輸入消費税の支払いが免税されることになっています。免税とは税金が免除されるということで、税金を支払う必要がないということです。
免税の条件について、税関ではこのように記載されています。
難しい文章なので、条件を一つずつ確認していきましょう。
1.税価格の合計額が1万円以下
課税価格とは先ほど確認をしました。個人輸入なら購入価格の60%なので、購入価格が16,666円以下ということになります。
2.特に定められた物品については、免税適用になりません
免税適用にならない物品に関しては、細かく分類がされています。
税関では「革製のカバン、ハンドバッグ、手袋等、編物製衣類(Tシャツ、セーター等)、スキー靴、革靴及び本底が革製の履物類等」と主な物品が載っています。
例えば、個人輸入で16,666円の革製のカバンを買っても免税にはならないということになります。
関税等の支払い方法について
関税、輸入消費税、手数料などの支払いについては、配送会社によって変わります。
以下、主な配送会社ごとの支払い方法をまとめました。
配送会社 | 支払方法 |
郵便局 | 現金のみ |
ヤマト運輸 | 現金のみ |
佐川郵便 | 現金のみ |
DHL | 現金またはクレジットカード |
UPS | 現金のみ |
FEDEX | 現金またはクレジットカード |
基本的に支払いは現金ということを覚えておきましょう。配送会社によってはクレジットカードでの支払いにも対応をしていますが、少し手間がかかります。しかし、クレジットカードで支払いをした方が引き落としまでを先延ばしにできますし、なんと言ってもクレジットカードのポイントが貯まるのは嬉しいです。
支払いのタイミングは?
ほとんどの場合には荷物を受け取る時に配達員の方に現金で支払いをします。FEDEXだけは配達時に支払うわけではなく、荷物を受け取った後で請求書が送られてきます。コンビニや銀行などで支払いをします。
また、税金の金額によっては受け取り時ではなく、受け取る前の先払いで支払いをすることになります。配送会社によっては決まった一定額以上の税額の場合には、先に税金を支払ってから荷物が届きます。
ショップによって変わる関税等の先払いと後払い
海外のショップでは、関税などの税金の支払いは先払いか後払いのどちらかです。ショップによっても変わりますが、先払いのみ、後払いのみ、先払いか後払いか選択可能の3つです。
以下、詳しく確認をしましょう。
先払い
商品代金に税金が含まれていることです。先払いの場合には追加で税金の支払いをする必要はありません。
最近では日本に発送をしているショップも多く、大手のショップでは税金込みというところも多くなっています。
後払い
先ほどご紹介した配送会社ごとの支払い方法で税金のお支払いをします。ショップに代金を支払った後に、税金を後で支払うことになります。
先払いと後払いどちらがお得なのか
これはよく言われることです。特に先払いと後払いを選択できる場合に、どちらを選ぶのがお得なのかということです。
商品の種類や素材によって関税率も違うので、一概にはどちらの方がお得なのか断言はできないところです。個人的には商用で輸入する時は、先払いの方が安くなると思っています。
ショップによって先払い税金を決める時の計算方法も異なります。関税率が高い革靴などの購入の場合には、先払いの方がお得になることもあります。
計算の具体例
海外のショップで購入をする時には、ほとんどの場合には海外通貨となります。しかし、関税などは日本円で支払いをするため、海外通貨が日本円に換算されます。
いつのレートになるのか→通関許可日
どのレートを採用するのか→財務省貿易統計が1週間ごとに発表している週間レート
外国為替相場(課税価格の換算) 財務省貿易統計より
それでは先ほどの計算式にそって、実際の数字で関税と輸入消費税を計算してみましょう。
購入価格200ドル
送料30ドル
保険、その他の費用はなし
レート110円
関税率10%
・個人輸入の場合
関税:200ドル×60%×110円×10%=1,320円(10円以下は切り捨てのため1,300円)
輸入消費税:(200ドル×60%×110円+1,300円)×8%=1,160円(10円以下は切り捨てのため1,100円)
関税は1,300円で輸入消費税は1,100円の合計2,400円ということになります。
・商用輸入の場合
関税:(200ドル+30ドル)×110円×10%=2,530円(10円以下は切り捨てのため2,500円)
輸入消費税:((200ドル+30ドル)×110円+2,500円)×8%=2,224円(10円以下は切り捨てのため2,200円)
関税は2,500円で輸入消費税は2,200円の合計4,700円ということになります。
個人輸入は関税と輸入消費税の合計2,400円、商用輸入は合計4,700円となります。この例の場合では、個人輸入と商用輸入で2,300円のも違いになります。
このように購入する商品の価格が高くなるほど、個人輸入と商用輸入で払う金額の差は大きくなります。
実際の価格よりも安く申告してはいけません
税金の計算に必要な価格は、発送する(ショップ)人が商品価格など記載してその金額を元に税金の計算をします。この金額が安ければ税金も安くなります。だからといって安く書いてくれと言うのはやめましょう。
100,000円の商品を個人輸入で買えば、税金は約12,000円かかります。
もし金額を50,000円で書いてくれれば・・・半分の約6,000円です。
6,000円の違いは大きいです。
実際の価格よりも意図的に低く申告することは、アンダーバリューといって刑事罰の対象になります。しかし、実際には海外ショップではアンダーバリューを受けないと書いているところも多いです。
海外ショップでは自分の国や地域だけではなく、世界中に発送対応しているショップが多くなって海外からの購入も増えますが、海外の人にとっては税金を支払いたくないため、アンダーバリューの依頼も多いのです。そのため、ショップではあらかじめアンダーバリューを受けないと書いています。それでもお願いをしたとしましょう。結果としては断られます。
個人輸入でも商用輸入でも正しい金額で輸入をしましょう。
まとめ
これまで海外のショップから購入したことがないと、関税はとてもややこしいものだと思ってしまいがちです。実際に関税はとてもややこしいものです。だからこそ国家資格である通関士という資格があります。
海外から商品を買う時にはこれだけ覚えておきましょう。個人輸入では購入価格の60%の20%、商用輸入なら購入価格の20%が税金を支払うことになると覚えておきましょう。
個人輸入で100,000円なら12,000円(100,000円×60%×20%)
商用輸入で100,000円なら20,000円(100,000円×20%)
※一部の商品や素材などによっては20%を超える場合があります。
海外ショップでのの購入(仕入れ)は難しくはありません。何でも初めは踏み出しづらいものです。しかし、1回、2回と輸入をしていくうちに、日本のAmazonや楽天などで購入するのと同じように輸入をすることができます。
日本で買うよりもお得に輸入しましょう。