ヤマト運輸の値上げ額決定と物販業界への影響について【最新版】
配送業界最大手のヤマト運輸がサービスの見直しと値上げ額を発表しました。
今回の配達料金の値上げが、副業で物販をされる方が多くなっている中で、今後どのような影響があるのでしょうか。
ヤマト運輸のサービス見直し内容と値上げ額と合わせて、物販をする人にとっての影響を考えました。
この記事の目次
ヤマト運輸のサービス見直しの内容について
まずは、今回のサービス見直しの具体的な内容がこちらです。
1.当日の再配達依頼の受付時間の変更

出典元:ヤマト運輸
上記の変更は平成29年4月24日(月)からとなっています。
2.配達指定時間帯の時間指定枠の変更

出典元:ヤマト運輸
上記の変更は平成29年6月19日からとなっています。
今回のサービス内容の見直しは、料金面ではなく時間関係の見直しのみとなっています。変更前と比べると、荷物が受け取りづらくなっています。
3月7日にヤマト運輸から料金体系の見直しを検討しているという発表があってから、3月17日にさっそく今回の内容が発表されました。次は料金の値上げの発表でしょうか。
4月27日値上げ額発表
具体的にどのくらいの値上げがされるのか、ヤマトから発表がありました。
10月1日から値上げとなります。
宅急便の基本運賃の改定
60-80サイズ | 現行の運賃に一律140円を加算 |
100-120サイズ | 現行の運賃に一律160円を加算 |
140-160サイズ | 現行の運賃に一律180円を加算 |
このくらいの値上げ幅が妥当なところだと思いました。
この値上げ分がドライバーさんにうまく還元されて、よりよりサービス向上につながることを願います。
佐川急便も値上げを発表
7月26日には宅急便業界2位の佐川急便も、運賃等改定のお知らせを発表しました。
ヤマト運輸の値上げとは違い、佐川急便では100サイズ以上の宅急便やさらに大きいサイズのラージサイズの宅急便、クール便などの料金が上がるということです。
大型の商品を扱っている場合には、影響はありますが小さい物を扱っている場合やまだ物販をはじめたばかりの方には、あまり影響はないのかと思います。

出典元:佐川急便
日本郵便も値上げを発表
9月5日は日本郵便もゆうパックの値上げを発表しました。これで配送会社の大手3社の値上げが決定となりました。

出典元:日本郵便
他にもヤマト運輸と同様に、配達日時の指定時間も変更となりました。
詳しくはこちらからご確認いただけます。
→http://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2017/00_honsha/0905_02_01.pdf
ネット通販の拡大と再配達の影響
こちらの記事の「6.ファッション・アパレル関係が市場は大きい」でもご紹介をしていますが、ネット通販の割合が多くなっています。
お店に行って直接買わずに、インターネットでお買い物する人が増えてます。時間がない中でもスマホで注文をして、家まで届けてくれる便利な時代です。
ヤマト運輸と配送契約をしているAmazonの荷物は、宅急便の2〜3割を占めていて、さらに大口契約なので配送料は割安です。同じ数の荷物を配達するなら、Amazon以外の荷物を配達したいというのがヤマトの本音でしょう。
さらに、ネット通販の拡大とともに問題となっているのが再配達です。
夫婦共働きの割合も多くなっているので、日中に不在ということが多くなり再配達が増えています。仕事が終わった後の夜間の時間帯に再配達が集中してしまい、配達員の負担になってしまいます。配達会社は何度再配達をしても、もらえる配達料金は変わりません。
再配達に指定した時間帯にも不在のこともあり、一つの荷物で何度も再配達することも多くはありません。
ヤマト運輸のクロネコポイントキャンペーン終了
2017年11月30日(木)をもって、クロネコポイントキャンペーンが終了することが発表されました。
このキャンペーンはヤマトの宅急便の発送と受取でクロネコポイントが貯まり、そのポイントで便利なグッズやオリジナルグッズに交換ができるサービスです。
物販をやっていると、発送こそしなくても受取で勝手にポイントが貯まっていることもあります。
地味に嬉しいサービスでしたが、クロネコポイントが終了するとのことで残念です。
http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/info/info_170810.html
ヤマト運輸の配達個数と利益の推移
業界最大手のヤマト運輸の配達個数とデリバリー事業の売上、利益を確認してヤマトの状況を見ていきます。
まずは宅急便の取扱個数の推移です。

出典元:ヤマト運輸
順調に取扱個数が増えていき、2016年には過去最高の取扱個数となっています。2017年は2016年の取扱個数を超えて、過去最高になる予定です。
次にデリバリー事業の売上と利益のグラフです。

出典元:ヤマト運輸
このグラフから分かるヤマト運輸の状況
ネット通販のの利用者が増えたことで配達個数が増えています。配達個数が増えればそのぶん売上も増えます。しかし、平成27年3月期に比べると、平成28年3月期の利益が下がってしまっています。
大口契約のAmazonの配達個数が増え、再配達も増えているということもあり、人手不足の中で配達員たち一人あたりの配達個数も増えてしまい、とても負担になっています。たくさん配達して売上は上がっているけれど、利益が下がっているようでは多く配達している意味がなくなってしまいます。
ヤマトはAmazonに料金の交渉をするということもあるので、これが解消されることを願います。
ヤマト運輸以外の配送会社はどうするのか
ヤマトにかぎらず、他の配送会社でも人手不足は同じです。配送業界全体が厳しい状況なのです。ヤマト運輸が値上げをすれば、佐川急便や日本郵便をはじめとする、同業他社も値上げをする可能性が高いと言われています。送料の値上げが物販をする人にとって、どのように影響するのでしょうか。
送料の値上げと物販をする人への影響
形のある物を売るなら、買ってくれた人に商品を発送するということが必要です。
送料の物販をしている人なら、送料の値上げがまったく影響ないということはないでしょう。
商品を発送するときの送料
いろいろな配送会社や発送方法がありますが、宅急便を使う人なら影響があるかもしれません。
すでに特定の配送会社に料金を割引してもらっている場合には、Amazonと同じように配送会社から送料の交渉をされることにはならないかと思いますので、発送する時の送料に影響はあまりないかもしれません。
物販で多くの荷物を発送しているようなら、配送会社と契約することがほとんどかと思いますが、物販をはじめたばかりだと契約をしていない方もいると思います。契約をしていない場合には、送料の値上げがそのまま影響することになってしまいます。
国内のネットショップで仕入れをするときの送料
日本のAmazonなどの国内のネットショップで仕入れをしている方もいます。Amazonはヤマトとの価格交渉もあるので、今後Amazonの送料も値上がりする可能性が高いです。配送会社が送料を値上げすれば、ネットショップの送料も上がるのが自然です。
国内のネットショップで仕入れをする場合には、送料が上がり仕入価格が上がってしまいます。
送料が上がってしまった場合には、送料込みで販売をしているようなら販売価格を上げることになります。送料を別にもらっているようなら、販売価格は変えずに、購入者に値上げ分の送料を負担してもらうことになります。購入者から見たら買う時の価格が上がるということになります。
宅配ボックスへの期待
配達時の不在による再配達も、今回のサービス見直しの大きな原因にとなりました。今回のヤマトのニュースも大きく報道されたこともあり、宅配ボックスへの注目が集まっています。
マンションでは宅配ボックスが設置されているところもありますが、一番設置の少ない戸建住宅用の宅配ボックスの需要も高くなっています。安いものだと数千円ですが、高いものだと5万円以上のものもあります。再配達を防ぐために自分のお金で宅配ボックスを買うという選択をできる人は、まだ少ないかもしれません。
駅や公共施設などの宅配ボックスの設置には、国からの助成金制度が新設されます。この補助金がマンションやアパート、個人宅の宅配ボックスでも補助の対象になれば嬉しいですね。
宅配ボックスを設置して再配達が減り、送料の値上げもあれば配送業界がよくなるかもしれません。
ヤマトからもこのような発表がありました。
都市部を中心にオープン型宅配ロッカー、コンビニエンスストアへの配送、投函型サービスや営業時間外の配送ニーズなどに特化したネットワークの構築など、新たなラストワンマイルネットワーク・オペレーションの設計を試行することで、将来に向けたデリバリー事業のさらなる成長を目指します。
今後、荷物がますます増えることが予想されています。企業側も限られた人材で多くなる荷物を扱わないくていけませんから、このような工夫が必要になってきます。
まとめ
現時点ではどのくらいの値上げになるのか分かりませんが、現在の配送業界の状況を考えれば値上げは当然の流れです。物販をする人にとって、配送会社は必要不可欠です。送料の値上げをマイナスにとらえるのではなく、値上げをすることによってサービスがよくなり、物販をする人にとってさらにプラスになることを願いましょう。